稽古の心得
2008/04/05 Sat [Edit]
自分が学生弓道から一般弓道連盟に席を替えた時に、
先輩から頂いた言葉。
「稽古とは一より習ひ十を知り 十よりかへるもとのその一」
千利休
稽古をするには、一から二、三、四と順を追って十まで進み、
その次には、再び初めの一にもどって、改めて二、三、四、五と順に進むのである。
初めて一を習うときと、十から元の一に戻って、再び一を習うときと、
その習う人の心は、全く変わっているものである。
十まで習ったから、これでもうよいと思った人の進歩は、それで止まってしまう。
学生弓道で、ある程度のことを学び、弓連に入って初心に戻り、
基本体から学び直してみると、いかに基本が出来ていないことが分かる。
稽古(道)には終わりは無く、生涯稽古の繰り返しであることを教えられた。
この言葉には、色々な解釈が出来る。
弓道だけではなく、人生そのもに通じる大切な心得だと思う。
肝に銘じて置きたい言葉である。
参考 千利休 井口海仙著
明鏡止水
2008/03/23 Sun [Edit]
とても印象に残った言葉。
私は剣道の基礎を身体で覚えるのに50年かかった。
50を過ぎてから本当の修行に入った。
心で剣道をしようとしたからである。
60歳になると足腰が弱くなり、心を働かして弱点を強くするように努めた。
70歳になると身体全体が弱くなり、今度は心を動かさない修行をした。
心が動かなくなれば、相手の心がこちらの鏡に映ってくる。
剣道十段 持田盛二
剣道でいう「明鏡止水」という言葉だろうか。
これからの道を行く上での、道しるべたる言葉に感銘を受けた。
無適の射
2008/03/22 Sat [Edit]

治道家 第四回 「無適の射」について。
この「無適の射」とは、弓道では無くアーチェリーにおける射の心理である。
「無適の射」
アーチェリー動きの中でも、もっとも集中力の高まりを見せるのが、
フルドロー(会)からリリース(離れ)にかけて。
伝統の教えでも、この”離れに至る一瞬の永遠”についての記述は深く、
哲学的精彩さえ放つ。
「無適の射とは、本心を留めて発射せずに保つ事で、持満の業ともいう」
「活然の射とは、水の止まる所なく自然に流れる如く発する事で、自満の業ともいう」
「持満とは己が心で保ち、力を入れる所で未だ業に勤めている。
自満とは自ら満つるのであって、持満の後に自満となるのが秀一の業である」
これを例えて「柘榴の実が熟するのを待って自然に割れる如く」
※参考 @‐rchery.comさんより
弓道にもこの様な心理状態、「雨露利の離れ」がある。
または、日置流でいう彀(ヤゴロ)に似た心境だ。
弓道やアーチェリーといった、動かぬ的との対峙による自分自身との戦いでは、
両者とも行き着く心理は同じのようだ。
自分はこの境地に達するには、まだ実力経験共に足りないので、
これ以上のことは述べられないが、この言葉をよく咀嚼(そしゃく)し、
一つの修行の手引きとして修練しすることは有効的だと思う。
※雨露利の離れ
東京第一地区弓道連盟 颯手規仁先生の「雨露利の離れ」を参考にして下さい。
剣道八段審査から学ぶ
2008/03/15 Sat [Edit]
動画 NHK「ドキュメントにっぽん〜心で闘う120秒〜剣 道・日本最難関試験に挑む」
日本最難関試験と言われている、剣道八段審査に、剣道七段の石田さんが五度目の審査に挑む、ドキュメンタリー番組である。
剣道八段審査は合格率1%を切るほどの超難関審査。
審査内容は、一次・二次の実技審査に加え、型の審査と学科審査が課せられる。
また、弓道の審査と違って剣道は、段位をとってから次の段位を受験するには、現取得段位の年数以上経たなければ受験できない。
例)八段を受けるには、七段を取得してから八年以上の経過が必要
最終学科試験での「剣は心なり」の問いに対して石田さんは、
剣道で一番大切なのは、驕らずに自分の弱点を認め、それを稽古で改めていく素直な心であると答えた。
道を極めるには、まずは自分の弱点を認め、それを正して学ぶ素直な心が大切だと思った。
弓道修練による眼目の目標が、人間完成の必要であるのならば、
長い道則の中、自己を見失うことがあるだろうが、己の信じる道を極める為に、
素直さを忘れずに、生涯学習の精神を持って精進出来るよう頑張って行きたいと思う。
伝統 ―現代に生きる職人達―
2008/02/29 Fri [Edit]
治道家第二回 「伝統」について。(去年の修正版)
「伝統」に対して皆様も様々な御意見をお持ちだと思います。
私目が、「伝統」について述べるのも恐れ多いのですが、
最近池袋の東武百貨店で『伝統的工芸品展 WAZA2007』が開かれ、
私も「伝統」に触れる機会を得て感じたことがありまして、
私的な意見ではありますが、お話させて頂きたいと思います。
『伝統的工芸品展 WAZA2007』という催しには、
竹弓の産地である都城大弓(みやこのじょうだいきゅう)も出展されていました。
見る弓全てがとても美しく、「武器」という枠を超えて
「芸術品」と思える程の代物でした。
これは、職人の長年渡って培われた技術と技法によって、
自然素材の美しさを極限にまで高めた結晶だからなのでしょう。
そんな芸術品と言える程の弓を、魅入る様に見ていると、
ふと下関板辺りにシールが貼ってあることに気付きました。
←「伝統的工芸品認定シール」
皆さん、「伝統工芸品」では無く、「伝統的工芸品」に違いがある事をご存知でしょうか?
「伝統的工芸品」とは、
「工芸品の特長となっている原材料や技術・技法の主要な部分が、
今日まで継承され、更にその持ち味を維持しながらも、
産業環境に適するように改良を加え、時代の需要に即した工芸品」
という意味なのだそうです。
「的」という言葉から、時代の変化により伝統だけでなく、
新しい波を乗り越えていかなければ、
伝統産業は成り立たせることが難しいことが分ります。
厳しい時代の波を乗り越え、そして伝統を大切に守りながらも、
竹弓にカーボン素材を用いて、笄の少ない竹弓を作り出す等の、
現代の技術を駆使し更に伝統を昇華していこうとする、
弓師の志を「伝統的工芸品シール」が貼られている竹弓から垣間見る事が出来て、
とても感動しました。
この様な時代の波を乗り越えようとする
矢師−小山金一さんを紹介する動画を見つけましたので、
是非ご覧下さい。
先人の「伝統」を伝承しながらも、
時代に対応した新しい技術を生み出して行こうとする、
小山さんのような職人達によって、日本の伝統文化は守られ、
受け継がれていくのでしょうね。
参考
日本の伝統的工芸品館
愛知県庁ホームページ









